素顔が見られる、女の子投稿型フォトダイアリー。
第26章:「壊れた絆とその代償」
近所のママ友たちとの食事中、話題は消防団員のことに移った。夫もその一員で、しかも部長をしている立場だった。几帳面で真面目な夫は、団員たちからも信頼されていた。
しかし、その日の話題は夫の変化についてだった。
「最近の白藤さんのご主人、なんだか様子が変よね。」
「仕事が忙しいのかな?前はもっと落ち着いてたのに…」
団員たちの間でも、夫が変わってきたという話が出ているらしい。聞いているうちに、私は胸がザワザワしてきた。あの一夜限りの出来事が原因ではないか?不安は膨らむばかりだった。
その夜、家に帰ると、夫が珍しくリビングで焼酎をロックで飲んでいた。私を見て、「ちょっといいか?」と低い声で言った。
「お前…不倫してるのか?」
その直球の問いに、心臓が止まりそうだった。私は何とか「いいえ」と答えたが、その瞬間、夫の手が私の頬を打った――大きな音が響き、私は床に倒れた。
「痛!何を根拠にそんなことを言うの?」と問い返すと、夫は苦い顔で言った。
「義兄が、お前が男と飲んでるのを見たって言ってきたんだ。」
義兄…。なんというタイミングだろう。夫は、その夜一睡もできなかったと言う。
「お前がそんなことをしたのは、俺のせいなんだろう?」夫は視線をそらしながら続けた。「俺がセフレでも作れって言ったからだよな?」
その言葉に、溜め込んでいた感情が爆発した。
「そうよ!あの時のあなたの言葉、冗談なんかじゃなかった!私にとってはそう聞こえたの!私をもう愛してないから、あんなことを言ったんでしょ?」
夫は苦しげに顔を歪めた。私は涙をこらえながら続けた。
「私は子供が欲しかった。それがどれだけ大きな夢だったかわかる?それも諦めたのよ。あなたがあの言葉を軽々しく言ったせいで、私の希望は全部壊れたの。」
夫は目を見開き、しばらく黙り込んだ。やがてぽつりと呟いた。
「俺はそんなつもりじゃ…本当に知らなかったんだ。」
私は涙を流しながら言った。
「知らなかったじゃ済まないのよ。私はあなたと家庭を築きたかっただけ。でも、今じゃ何も残ってない。」
夫はグラスを置き、顔を手で覆った。
「俺だってお前を傷つけるつもりじゃなかった。だけど、どうしていいかわからなくて…」
沈黙の中、私は問いかけた。
「私たち、どうすればいいの?」
その言葉に、夫も答えることはできなかった。ただ疲れた顔でうつむいているだけだった。
子供が欲しいという希望も、夫との絆も、すべてが壊れてしまった。これから何をどうすればいいのか、答えは見えないままだった。