素顔が見られる、女の子投稿型フォトダイアリー。
「そして、ある程度に"成長した心"を持つ君は【観察力】を養うステージへと変えるんだ。相手の良いところや悪いところの分別をつけるようにする。」
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両手を左右に広げて、善と悪を分ける様に手の平を一つずつ動かす。
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「そこで、君が最初に張り詰めた空気を上手く乗り越えるための必要なスキルは"沈黙"だ。」
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そして片手の人差し指を口元に近づけて静かにする様にジェスチャーをする。
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「相手の目を逸らすな。そして、黙りすぎてしまえば相手に話を聞いていないのだと勘繰られてしまう。時々、質問を出来るだけ投げかけろ。」
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「そうする事で自分への疑いの目を好奇の目に変えるんだ。」
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「相手からはこの人間は、確実に素直な人なのだと凝り固まった負の偏見は"一視同仁(いっしどうじん)"へと塗り替えられる。」
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いっし、どうじん?四字熟語か何かだろうか?
後で調べてみよう。
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「話を最後まで聞いてまた、質問をするんだ。根が優しい人は自ずとアドバイスをくれる。」
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「それを聞いた上で、上手く取り入れるかは自分次第だが、自分の決めたやり方があるのならそれは"優先しなさい"。」
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「自分の軸をブレてまで、自分を壊さなくていい。」
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「ちゃんと"目的"を持った上での行動の現れは、確実に自分の将来により良い方向へと深く影響を及ぼすからね。」
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「他人に流されすぎちゃ駄目だよ。」
『 独白 』
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「その人の人格を都合よく自己解釈した後に、その人物はそれを他者に言いふらすんだ。」
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「そうすると、その都合のいい言葉を受け止めた"他人"はその人間を警戒して近寄らない。」
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「只、面白いことに…『突然の変化』をふとした時に垣間見え始めたら、人は新たな動きを見せる。」
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「それは成長したい人間の、弱みや欠点を見つける。…簡単に言えば【粗探し】だ。」
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「"その人間がどれ程の者なのか"?これは、人の成長を素直に喜べない人間の『お試しの行為』。」
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「他者の力量を図るための"見えない壁"は、後(のち)のステージへと変わるんだ。」
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「想像してみて欲しい。自分自身の今までの失敗や行いに対して、知らぬ存ぜぬと自分に近づいてくる人間が現れたとする。」
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「成長し続ける賢い人間は、自ずと…息の詰まる様な空気感が訪れる瞬間を日を増すごとに段々と理解し始めると思う。」
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「その人達の、探り探りでの行動や言葉の選び方に、頭のいい君は"変化を感じ取れる"筈だよ。」
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「それはね、【仲良くなるつもりが最初(ハナ)っから無い】のに"それ"を装って、対話の場で自分の都合のいい感情を押し付ける事こそ…。」
「『最大の罪であり』。敢えて、綺麗事を並べて反省を促す流れを"群れを利用して"自身の愚かさを正当化するんだ。」
「この話を踏まえて、『人の成長を阻む行動とは何か?』。…いつか、その流れが徐々に分かり始めると思うよ。」
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「因みに、俺はいま君と【ババ抜き】をしているイメージね。」
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「"偏見"という【手札が多い】と、人は混乱してしまい『この人間はこういう人間だ。』と内なる防衛本能から人を"都合のいい型に嵌めてしまう"だろう?」
言われてみれば他人の愚痴や悪口を聞いたりすればその人が信用できるか出来ないか…。
後は自身も同じ行いをすれば、相手にどう思われても仕方がない。
男が言いたい事はそう言う事なのだろうと認識する。
「物事を一つ一つ丁寧に解決しなければ、忽(たちま)ち争いが産まれる。」
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男はカードを1枚抜き取る動作をしてから手元のカードを1枚引いてそれを捨てる動きをした。
まるで疑問や疑念、心の暗い部分やその原因に対する引っ掛かりを解消する様な想像が働く。
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「だから、争いを避ける為にも同じ人間でありながら思考が違(たが)えど、物事を的確に捉える思考力を持ち合わせているんだ。」
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「他に言えば、考え方を上手く統合する事が出来れば、欠点が利点に早変わりする。」
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長く時間を掛けて、ゆっくりと両の手の指をくっ付けてから男は手を合わせた。
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「要は自分と相手の価値観の擦り合わせみたいなイメージだね!」
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ぱあぁぁっと後光の輝きを感じる程の満面の笑みを浮かべるも、瞬時に目の色が鋭くなる。
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「他人を駄目にする"自己都合を優先する"人間について話を戻すけれど。」
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「そして、ある者は気づき始めるんだよ。『終わらない負の連鎖の原因』をね。」
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(…?。)と私は頭を少し傾げる。
男はふっと笑いながらそのまま話を進めた。
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「賢い人が増えれば増えるほど、その【虚勢】の原因に気がつけば周りの心には、こう言葉が過るだろう。【あぁ、"また"始まった。】とね。」
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人差し指の甲で、顎を撫でる男は自嘲するような笑いで言葉を吐く。
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「そして、【愚か者は賢い者を嫌う】から"同調圧力を都合よく利用して"、賢い者を『愚かな存在へ変わり果てるのを離れた所で、今か今かと待ち侘びるんだ』。」
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「まるで、然(さ)も自分が上であるかの様にそれがどれ程、恥かも知らずに高みの見物をしているか…君に分かるかい?」と言葉を紡ぐ彼の言動を観察する。
話を聞く限りだいぶ、この人は【愚か者】が嫌いなのだと感じた。
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「自分より優秀な者が現れると、都合よく創り上げた空間を壊されかねない。だから、方法はいくらでも用意し、それらを利用して"排除"する行動に移し変わる。」
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「いろんな"人間を利用して"ね。」
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「暗(あん)に言葉は悪いが…。都合のいい"駒"と言い換えれば、自分や周りの立ち位置を理解する事が出来ると思う。」
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その言葉で話の流れが変わってきたと頭で理解する。
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「要は【心理戦のゲーム】かなぁ?チェスの盤上を想像してみて欲しいんだけど、あれって時間をそれなりに掛け考えてから駒を動かすでしょう?」
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目の前にチェスはないが、男の駒を動かす動作がそれを物語っているようで本当にその場所にはチェスの盤上があるのだと錯覚してしまう。
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「で、相手の駒を一個、また一個とゆっくり退(ど)かして王の駒を倒すゲーム。」
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「これを現実の人間に置き換えて欲しい。」
ピンと人差し指を伸ばして、にこっと笑みを浮かべる。
「"自分の成長を阻む何か"を、どう【自身の力で乗り越えていくか】に考え方を変えれば、厳しい現状も明るい方向に変わるでしょう?」
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「これの何が、"周りの心"に良くない流れになるかというと【虚勢(きょせい)】が伝染してしまうんだよ。」
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「自慢話や自分語りをしている人とかいるだろう?」とその言葉を聞いて身に覚えが合った。
(そういえば、周りがしているのを真似して自分も、していたと思う…。)
過去の自分を思い返せば、何度も同じ経験をしていた事に恥ずかしさが芽生えた。
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「一般的な人は目に見えない【常識】のせいでその方法でしか、人の輪の入り方が分からないんだ。」
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「そうすると賢い人は、それに嫌気がさして近寄らなくなってしまう。」
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自分から離れていく人たちを何度も見送った。
かっこよく言えば『来るもの拒まず、去るもの追わず』だけれど、私はその逆の事をしていたと今振り返れば最悪なパターンだった。
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「延々(えんえん)と過去の栄光に縋る事でしか、人と仲良くなれない人からは何も【学びがない事】を感じ取ることが出来るからね。だんだんと"飽きられてしまう"んだよ。」
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「そのやり方を早めに気付いて、変わろうとすれば良いんだけど。気づかない者は同じことの繰り返しをしてしまう。」
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助言をくれた人も何人かいた。けれど、その時の私には心のゆとりが無かったせいで聞かぬ存ぜぬを当たり前の様にしていた気がする。
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「だが、その鬱々とした空間に賢い人が1人、また1人と現れるとゆっくりと"変化が訪れる"んだ。」
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「その行動はね、とっても大事なことなんだよ。相手の気持ちをその時その時で、寄り添う。」
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「誰かと共に時間を過ごして、感情を読み取るための【心】を理解する大切な行動。」
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「それを、人は【共感】と簡単に纏めて言うんだ。」
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___共感。
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「その共感が、どれだけ難しい事なのか…。それを理解せずに言う人をたまに見掛けるけど、俺はそれに対してムッとしてしまうんだよね。」
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眉を顰めて言葉を続ける。
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「喜びや悲しみ。仕事やプライベートで感じた楽しさを分かち合うと喜びの感情が芽生える。」
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「だが、人によっては裏で疎外感や孤独を感じたり、痛みを悲しみに変えたりと【寂しさ】を抱くものも中には多いんだ。」
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男は自分の心の位置を指さして、クルッと一回転させた。
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「人の輪に入れない者は【不安】を持っている人もいる。」
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「自分に自信がなかったり、他者と対話する能力が不十分だと、間違ったやり方をする者は『過去の栄光に縋る』。」
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「それがね、人と浅く関わる為の一歩として一番、"手っ取り早い"んだよ。」
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両手を広げてその行動に対して嘲笑するかの様に言葉を吐き捨てる。
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「その時に当てられた煌びやかなスポットライトはすごい事なんだ。と、あの"時代"は自身を輝かせた成功体験であり、他の奴らと違うのだ。」
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「そう…過去に縋る事でしか、自分の"空っぽな心"を気丈(きじょう)に振る舞う事しか出来ない。【その姿勢】が、現代ではとても多いんだ。」
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「さて、張り詰めた空気はお終いにしよう。さっきのは君に【お店側の都合を】押し付けてしまったからね。次に俺、個人の"気持ちを"君に聞いてほしい。」
笑いが漸く落ち着いたのか、パンっと両手を鳴らして空気を切り替える。
「最初は俺の行動や言葉で君は怒りに任せての顔が出てた。」
ポツリと呟かれた言葉に自分の、なりふり構わずの行動を思い返しバツが悪くなる。
私は言い返すこともせずにそのまま、次の言葉を待つ。
「だけど、話が進むにつれて徐々に君の変化が垣間(かいま)見えたんだよね。」
一拍置いてから男は両目を瞑り、ゆっくりと瞼を開いてから口角を上げる。
そして何が嬉しいのか、それを噛み締めるかの様に彼の声色には温かさを感じさせられた。
「その変化から、君の"すごい所"を俺は瞬時に感じ取った。」
男は私の顔を見つめる。
「それはね、話の途中で君は"沈黙"を選んだんだよ。無意識かもしれないけど、【君"も"頭が良いなぁ?】」
「えっ……?」
(頭が、良い…?)
そんな事、一度だって言ってもらった事がない。私のおろおろとした反応に気付いた男は「何に対してか、を教えるから心配しないで」と宥める。
「"それ"は相手の話を聞く。難しく言うと所謂(いわゆる)【傾聴(けいちょう)】の姿勢に君は移ったんだよ。」
___傾聴…。
「勿論、君に話を聞いて欲しかったから俺も頭を働かせたけどね?」と男は軽くウインクしておちゃらける。
「簡単に言えば、【話の意味を自分の力で"心や頭"で想像して理解しようとした】んだ。」
「想像…。」
「驚くよね。だから、スマホを持たせないからさぁ。SNSも禁止だし、彼氏(仮?)?にも会うことは出来ないし…勿論、家族にも会えないんだよ。」
男がお店での鉄則を振り返りながら、発言する度に徐々にその怖さから冷や汗で両手を濡らす。
「あと、整形やタトゥーとかも、してはいけないからお店の"管轄"から出るのは駄目でしょう?ヘアメイクさんは身内にいるから美容院も駄目なんだよねぇ。」
指を一本、一本立てては其々、店にとって駄目な事を言葉にして私に分かりやすく伝えてくる。
「この話だけでも今の現代っ子にはスマホ所持が当たり前だから、それを手元に置いておくことすら駄目って言っている厳しいお店なんだよね。」
ぽりぽりと人差し指で頬を掻いてから、再び疑問を問いかけられる。
「さて、これらを踏まえた上で他にどんな方法で集客をするのかな?」
「あ、えっと…」
「重ねて不安を煽るようで申し訳ないんだけど、技術力や対話力はそこまで求めていない。だって必要なものは経験を重ねて磨き上げていくものだからね。」
「…………。」
どうしよう、考えても考えても相手が欲しがる"言葉"が見つからない。
試されているのか?それとも身の丈に合わない場所に置けないと暗に伝えられているのだろうか?
沈黙がこの部屋の空気を重くする。
「本当はこの店に入れば伝えることはいくらでも出来るんだけど…。俺は【店の人間を守る義務】があるからね。君を信じて、『では、明日からよろしくね。』が出来ないんだよ。分かってくれるかい?」
「………はい。」
喉が詰まる痛みに耐えながら一言だけでも口に出す。その瞬間、涙が溢れそうになるが負けじとぐっと目に力を入れて堪えるが一筋の涙が頬を濡らす。
「………っふふ。はははは!!なんだ!裏垢の性格とは打って変わって君、とってもいい子じゃん!!」
「……………は?」
突然、タガが切れた様に男が部屋中に響き渡るほどの笑い声を挙げたのだ。
その姿に私は目を丸くして、未だに目の前の男は自身の腹を両手で抑えながら長い両足をバタバタと揺らして子供の様に笑い続けている。
男はふと優しい笑顔を向けてから、口を開いた。
「いくつかに分けて、一つ目に俺が"疑問"に思った事は【求人も出していない】この店に面接に来た"君を"お店側が怪しむのは至極(しごく)真っ当な事なのは、君でも分かるかな?」
優しい声色で顔色も柔らかく私を怖がらせない為かは分からないが、ゆっくりと言葉を選んで話をする男に素直にコクリと頷いてしまう。
「2つ目、入る動機が【花魁】を目指したいため。んー…。志を高く持つのはとてもいい事だし、やる気がありそうな"目的"の一つだと俺は思うけど。どうやって"自分で"目指すかは計画している感じかな?」
「SNSや日記を通じて呼び込む事で集客を…」
質問に対して一般的な回答をすると、顎に手を当てて聞いていた目の前の男は渋るように声色が低く言葉を紡ぐ。
「なるほど…。そこで"悪い知らせ"なんだけど。俺の店では"それ"をさせずに集客に力を入れているんだよね。」
男は重い口調で言葉を紡ぐ。
「もし、お店に入店って話になったらスマホを解約させてGPSやバイタル確認が盛り込まれた特殊なケータイを持たせて防犯も兼ねて"監視"しているんだ。」
「はっ?」
スマホを持たせない?特殊なケータイ持たせて【監視】?
目を見開いて申し訳なさそうな表情で私の顔色を伺いながら男は次の言葉を待つ。
次回へ続く。
「謝って済む話じゃねぇだろうがっ!!プライバシーって知ってるのかよっ!?人の日常を勝手に見られた挙句、それをネタにして脅すつもりかよ!?なぁ!?」
「え?なんでそう思ったの?」
私の言葉を聞いていた男はキョトンと、目を丸くする。
私はその顔を目にした瞬間に拍子抜けしてしまう。
「…っ、はぁ!?」
「だから、なんで"脅す"って言葉が出たの?その上、俺が君に"それ"をする理由も、【何もないのに】何故、そっちの方に思考回路が働いちゃったの?」
「っ、…!?、?…??」
男はさらりと疑問を投げかけ、それを咄嗟に受け止めた私は訳が分からなくなって言葉に詰まってしまった。
それを見かねてか、男は続けて声色を変えずに言葉を並べたてる。
「そもそもの話なんだけど、君が"俺の店"に面接に来た話から遡らせて貰うね。」
ゆっくりと答え合わせをする様に男は話の場の"空間"を作り上げた。
「まず、ここへ面接に来てくれた事に関してはとても嬉しい。"ありがとう"の気持ちでいっぱいだ。」
「ただ…、」と続ける男が疑問を投げかける。
「実は【此処さ】、俺が直々にスカウトした子じゃないと入れないって話を聞いたことない?この業界の人なら大体は知っている筈なんだけど…。」
【スカウトした子しか入れない。】…噂程度でしか聞いたことが無かったけれど、それがまさかここだった…?
その言葉を聞いて体に緊張が走る。
その反応を見逃さなかったのか、「あ、認識は半々だった感じだね。」と苦笑いをする男。
怒るでも呆れるでもなく、"現実を受け止める"その姿に私は座っていた椅子から無意識に姿勢を正してしまう。
次回へ続く。